内向的直観(Ni)について

心理機能

 内向的直観(Ni)とは

 内向的直観とは、複数の現象の共通点や関連性を見つけて抽象化することで、1つの集約された概念を生み出そうとする心理機能です。

 こう書かれてもなかなかイメージがしにくいですよね。

 内向的直観は、性格類型ファンの間でたびたび話題になる心理機能ですが、その抽象性から誤解の多い心理機能だと感じたので記事にまとめてみることにしました。なかなか理解できないという方の参考になれば幸いです。

 まずはじめに、16タイプ性格類型の中で内向的直観が主機能になる性格タイプと内向的直観に関わるキーワードを示したうえで、内向的直観という心理機能がなぜわかりにくいのかを考えていこうと思います。

 内向的直観が優勢機能となる性格タイプ

 INTJ: 内向的直観 + 外向的思考

 INFJ: 内向的直観 + 外向的感情

 内向的直観のキーワード

 ひらめき、インスピレーション

 ものごとの核心を見出そうとする

 概念や理論を好む

 独自な視点での解釈と改良

 形式を重んじる

 内省的

 抽象的な思考を好む

 ものごとの知的な部分を好む

 システムの理解とパターン認知

 未来志向と長期的視野

 何故、心理機能は理解しにくいのか

 上記のキーワードは、内向的直観の説明として広く知られているものですが、なかなか理解しにくい部分もあるかと思います。

 ある程度、心理機能についての知識がある方であると

 “ひらめき、インスピレーション”というのは、外向的直観(Ne)にも言えるし、”形式を重んじる”というのは内向的感覚(Si)に近いのではないかと主張する人も多いのではないでしょうか。

心理機能の説明に悩むふぐ<br>
心理機能の説明に悩むふぐ

 はい、そのとおりです

 心理機能の説明の多くは、重複しているんですよね。

 なので、1つのキーワードを捕まえてそれは○○の心理機能ではない△△の心理機能だ! と不毛な議論が交わされる原因になっているのだと思います。

 ”概念や理論を好む”や”ものごとの知的な部分を好む”にしても、内向的思考が優位の性格タイプの人間も好むでしょうよ……となりますからね。

 これは内向的直観に限らずですが、

 心理機能におけるキーワードによる理解は、1つ1つのワードの意味をきっちりと考えるのではなく、集合としてだいたいの意味を掴もうとするくらいの意識で取り組むと良いと思います。

 ソシオニクスにおける内向的直観

 内向的直観という言葉はユングの心理学をベースにさまざまな性格類型の心理機能として使われますが、指し示しているものはそれぞれ異なります。

 このページではMBTIをはじめとする16タイプ類型における内向的直観を解説していますが、MBTIにおける心理機能がユングの主張した心理機能とは違いがあるように、ソシオニクスにもソシオニクスの心理機能の解釈があるので、混同しないように気をつけましょう。

 ソシオニクスの内向的直観は、ここで解説した抽象的な内容に加えて、未来と過去という前後の時間軸により重きをおいたものになっています。

 これは、ソシオニクスがMBTIとは異なり社会活動の中で、どのような性格タイプに分類されるかという観点から作られた性格類型だからだと考えられます。

 

 外向的直観と内向的直観の違い

 さて、16タイプ類型における内向的直観の話へと戻させてもらいます。

 心理機能同士の比較の中で考えた方が、理解しやすいということもあると思います。内向的直観との違いを見つけるのが難しいであろう、外向的直観について考えていきます。外向的直観との違いは以下の通りです。

外向的直観(Ne)
過去の経験や知識から新しいイメージを生み出すことが出来る(拡散的)

内向的直観(Ni)
過去の経験や知識から抽出したイメージをまとめ上げる(収束的)

 抽象的に物事を捉えてイメージとして扱っていくという点は共通していますが、内向的直観は収束的なのに対して、外向的直観はイメージが拡散していきます。

 具体的には、外向的直観はアイデアがいくつもいくつも生み出されていくような、アイデアマンの働きをするのに対して内向的直観では、イメージが収束していくので選択という部分に優位性があります。

 内向的直観のデータベース

 次になにに基づいて人は内向的直観を働かせるのかということですが、過去の出来事や感情、知識に基づいて内向的直観を働かせることになります。

 過去のデータベースをもとに直観を働かせることついては、内向的直観が主機能の方で自覚がない方も多いです。これは内向的直観主機能者にとって、結論というのは強い確信を伴ってパッといきなり頭の中に出てくるものだからです。

 ふぐ自身もこのタイプなので、よくわかるのですが深く考えていかないと、このエピソードや知識があったから、ひらめいたのかということが認識することが出来ません。また、イメージを抽出して共通点を抜き出して参考にしたものが、一般に全く関係ないところから着想を得ていたりする場合もあり他者に説明することが困難な場合もあります。

 データベースの充実具合によって頭の中に浮かんでくる直観の内容も変わるので、INFJとINTJでは揃えている物の内容が異なるため直観の働く方向性が変わる傾向があります。

 INFJは感情や人間関係についてのデータベースを駆使して人に対して直観を働かせるのに対して、INTJは知識や構造をもとに物事に対して直観を働かせる傾向にあります。思考の流れや認知は両者ともに共通していることが多く、無意識的にデータベースを参照しているという部分についても共通しています。

 少し神秘的な雰囲気のある心理機能ですが、内向的直観の密度や精度を高めるためには経験や知識の向上が必要という結論に至ります。わりと現実的ですね。

 そのことを本能的にわかっているのか、役にたたなそうなムダ知識を大量に蓄えているINFJやINTJも多いです。(彼らにとっては、生存戦略なので無駄ではないのですが……)

 内向的直観における予測の限界

 内向的直観は、しばしば人の気持ちが完全にわかるだとか、未来が予知できるというように誤解されることがあります。

 もちろん、本当に正確な未来予知が出来るのであれば、INTJは全員大金持ちになっているはずなので、そんなことはないのですが、このような誤解が流布している事には理由があります。

 内向的直観による抽象化と共通点の洗い出しにより、物事や感情の推測が得意なケースが多くその過程が他者からは見えにくいことが理由です。

 では、内向的直観を使った予測機能はどの程度まで確度が高く機能するのかということが問題になりますが、行使者の知識や経験から常識的に推測できる範囲に留まると考えるのが自然でしょう。

 たとえば

 1、3、5、7、9、⬜︎

 1、3、2、4、3、⬜︎

 といった並びのなかで⬜︎に入る数字を予測したとして、数列であれば⬜︎の中には11と5が入ると思います。

 しかし、現実世界の出来事はここまで単純化されていませんから、⬜︎の中に100とか1000のような数字が入ってくる場合も考えられます。

 2020年に発生したパンデミックによる経済活動の停止など、事前にほとんど予測が出来ず発生した場合の影響が大きい出来事のことをブラックスワンと呼びますが、こうした現象を内向的直観を使って予測することは出来ません。

 しかし、数字では簡単にわかっても現実世界の推測になると11や5が見えない人も多いので、限界はあるものの数字のように明確に表すことが出来ない物事や感情などを線形に予測するという点については、内向的直観主機能者に一日の長がある場合が多く、明確な長所になっていると思います。

 おわりに

 いかがでしたか、内向的直観を理解する一助になっていれば幸いです。

 今回の記事では、様々なイメージを持たれている内向的直観の心理機能について、抽象化と共通する概念の取り扱いに絞って解説しました。

 その他のキーワードについては上記の言い換えであったり、認知の仕方から必然的にそうした考えに至る場合が多いためです。

 内向的直観、外向的直観の心理機能が得意な方は、現実世界から抽象化された概念を抜き出してそれを扱うことに長けています。

 複数の出来事や概念がつながりあって、一本の線になるような感覚はとても心地がよく、内向的直観ユーザーを助けてくれる便利な機能です。とても洗練された結論が導き出せることもあります。

 しかし、その一方で内向的直観で導き出した強い確信を伴った結論は、考えを硬直化させ誤りが認められない状態を引き起こしてしまったり、物事をありのままにとらえず細部がおざなりになってしまう原因になることがあります。

 対極の心理機能である外向的感覚やその他の心理機能のバランスを保ちながら、用法・容量を守って使っていきましょう。

 

 関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました